生命保険営業における紹介獲得 基本中の基本編

保険代理店経営やセールスパーソンコーチング経験から、生命保険営業のコツやトーク戦略をまとめています。見込み客の発見からクロージング、紹介獲得につながる思考の整理に、少しでもお役に立てたら嬉しいです。

投稿:2015/05/15 23:50:05  最終更新:2025/07/06 15:50:29

【生命保険営業】紹介連鎖を促す仕掛け作りの基本

課題:ビジネス発想源より

  1. 自社の製品やサービスを、「お客様がどのような気持ちの時」に「お客様がどのような環境」で 利用する場合があるか
  2. 利用して頂いた場合、「お客様がどのような感想」を 「どのような周囲の人たち」に「どのような場面」で伝えようとするか。

生命保険営業の立場から、一般的と思われる回答を考えてみました。

自社の製品やサービスを、「お客様がどのような気持ちの時」に「お客様がどのような環境」で利用する場合があるか

 

お客様の気持ちの例

  • 将来が不安になったとき:たとえば結婚・出産・住宅購入などライフイベントの変化で、「もし自分に何かあったら…」という不安を感じたとき
  • 身近な人の入院・死亡を経験したとき:突然の病気や事故で周囲の人が困っている様子を見て、自分にも何か備えが必要だと感じたとき
  • お金のことを真剣に考えたいと思ったとき:老後資金や教育費、貯蓄計画など、漠然とした将来の不安に向き合う気持ちが芽生えたとき

 

お客様の環境の例

  • 家計やライフプランを見直すタイミング
  • 住宅ローンの契約やマイホーム購入のタイミング
  • 子どもの進学や独立など、家族構成の変化
  • 健康診断や医療受診で健康面に課題を感じたとき
  • 退職や定年後の生活設計を考える時期

 

利用して頂いた場合、「お客様がどのような感想」を 「どのような周囲の人たち」に「どのような場面」で伝えようとするか

 

お客様の感想の例

  • 「自分や家族に何かあっても安心できる備えができた」
  • 「プロに相談することで、必要な保障が明確になってすっきりした」
  • 「難しい保険のことがよくわかり、自分に合ったプランが見つかった」
  • 「自分では気づかなかったリスクをカバーできてよかった」

 

伝える相手

  • 同じような不安を抱える友人・同僚・ママ友・親戚など
  • ライフイベントを控える知人(結婚・出産・住宅購入予定者)
  • 子育てや介護の悩みを共有している家族や親族
  • 保険選びに迷っている人や勧誘で困っている人

 

伝える場面

  • 子育てや家計の話をしているときの雑談の中で
  • 同僚との昼休みや仕事終わりの会話
  • SNSでライフプランやお金の話題が出たとき
  • お見舞いや葬儀・法事など、生命や健康を意識する機会
  • 子どもの進学や就職で話が盛り上がったとき

 

このように、生命保険は「不安」や「変化」に向き合う場面で検討されやすく、利用後(=成約後)は「安心」や「納得」が感想として語られ、信頼する人への紹介にもつながります。セールスパーソンはこうした「きっかけ」と「連鎖」を意識することで、より多くの人の役に立つ支援が可能になります。

 

紹介につながる“感想・相手・場面”の設計

 

ポジティブな「感想」につながるような提案をするということはそんな偉そうに言うまでもなく、ごく当たり前のことですよね。
お伝えしたいのは、紹介をしっかり獲得するためには「伝える相手」や「伝える場面」は意図的に誘導していくことが大切だということです。

 

もう少し深堀りしてみましょう。

 

感想が紹介を生む「感動体験」になるには?

紹介が生まれる背景には、「誰かにもこの体験をしてほしい」というポジティブな感情の共有欲求があります。つまり、単なる満足ではなく、次のような“感動”に近い感想を引き出すことが重要です。

  • 「保険に入ったこと」ではなく、「この担当者と出会えたことに価値があった」と思える体験を提供
  • 「不安が消えた」「自分の価値観を整理できた」「家族と深く話す機会になった」など、商品ではなく“体験価値”に焦点を当てる
  • お客様が思わず他人に話したくなるようなストーリーを提供する

 

「どのような人に」紹介が生まれやすいか?

お客様が紹介したくなる相手は、以下のように共通の価値観や状況を共有している人です。
重要なのは、「誰かいませんか?」ではなく「こういう方がいたらご紹介いただけますか?」と具体的な人物像を提示することです。たとえば、

  • 子育て中のママ友 → 「教育費や万一の保障が気になる仲間」
  • 新築を建てた友人 → 「住宅ローンと保険の見直しが必要そうな人」
  • 親を介護している知人 → 「将来の医療や介護に備えたい人」
  • 会社の同僚や部下 → 「福利厚生では足りない保障を考えている人」
  • 息子や娘夫婦 → 「これから家庭を築いていく若い世代」

 

「どのような場面で」紹介が自然に発生するか?

紹介は「紹介してください」と頼む瞬間ではなく、日常の会話や出来事の中で自然に生まれることが多いです。

場面 紹介が発生するきっかけ
子どもの進学や受験の話題 教育資金や学資保険の話が出る
健康診断の結果で再検査 医療保険・がん保険への関心が高まる
知人の入院・葬儀 「万一の備えは大丈夫?」という話になる
住宅購入や引越し 住宅ローンとのバランスで保障の見直しが話題になる
知人の出産・結婚報告 「そろそろ保険も考えないと」という声が出る
年末年始・GWなど帰省時 家族で将来の話題が出やすくなる(親の保障・相続など)

 

セールスパーソンとしてのアクション:紹介連鎖を促す仕掛け

以下のような“設計された働きかけ”を行うことで、紹介が自然と発生しやすくなります。

 

感想を言語化してもらう工夫

感情と言語を結びつけることで、他人に伝えやすくなります。

  • 「今日の話で、特に印象に残ったことは何でしたか?」
  • 「誰かにこの話をするとしたら、どんなふうに話しますか?」

 

具体的な紹介トリガーを提供

誰に紹介すればよいかをイメージを持っていただくことが大切です。

  • 「最近、こういうことで悩んでいる方ってまわりにいらっしゃいませんか?」
  • 「実は、●●さんのようにお子さんが小さいご家庭でご相談がとても多いんです」

 

話す機会を創る

  • SNS発信の協力を依頼
  • ご家族面談をきっかけに「親→子」「子→親」への横展開
  • 「●●のセミナーがあるんだけど、興味ある方がいたらご一緒にどうぞ」とイベント誘導

 

まとめ

お客様から大切なお知り合いをご紹介いただくには、

  • 「感情を動かす体験を提供する」
  • 「紹介する相手像を明確にイメージしていただく」
  • 「日常の中に紹介が生まれる“場面”を作る」

という3つの視点が鍵になります。

 

これは単なる営業テクニックではなく、お客様の“納得”が“共感”に変わった瞬間に自然と生まれることが理想的と言えますね。